子育て支援に関わる仕事(職業名・資格名)はたくさんあって、保護者の立場から見るとわかりにくくなっています。
昔からよく知られている仕事もあれば、ごく最近に登場した新しい仕事(呼び名)もあります。
『保育士』『幼稚園の先生』『保育ママ』『チャイルドマインダー』について、それぞれの違いに注目しながら整理しておきましょう。
まず『保育士』は「児童福祉法で定められた国家資格」です。
かつては「保母さん」「保父さん」と呼ばれていました。もちろん男性も、保育士になれます。「名称独占資格」と呼ばれるもので、保育士の資格を持たない者は、保育士を名乗ることはできません。
主に(認可・認可外)保育園や児童養護施設などの「児童福祉施設」で、保育を行っています。
『幼稚園の先生』は、幼稚園教諭免許(1種・2種)を取得後に幼稚園で働く人ですが、これは保育士と完全に別の資格です。
幼稚園教諭(幼稚園)の管轄は文部科学省で、保育士(保育園)の管轄は厚生労働省になっています。教育基本法で、幼稚園は子どものための「学校」と位置づけられています。
保育士はさまざまな児童福祉施設で「保育」を行えるのに対し、幼稚園の先生はほとんど幼稚園の中だけで働き、子どもへの「教育」を中心に行なうのです。
とは言っても、子どもの立場からすれば「教育」と「保育」を一体的に受けて育つわけですから、別々にやるのは非効率では、幼稚園と保育所は一元化してよいのでは、という議論がありました。
いわゆる「幼保一元化」の議論で、認定こども園も、その延長線上に出てきた施設です。
平成27年4月から本格的にはじまった「子ども・子育て支援新制度」において国の「認定こども園」が強化され、平成32年以降は両方の免許資格を持っていないと、認定こども園での勤務ができなくなります(5年の猶予期間があるということです)。
幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例(厚生労働省)
幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例(文部科学省)
国の財政が厳しいことを背景に、遠くない将来に幼稚園・保育所が「認定こども園」に一元化される可能性も高いことから、保育士または幼稚園教諭免許を持っている人はもう片方の資格をとるべく、今から準備を進めているはずです。
次の子育て支援の仕事(2)~家庭的保育者とは では、『保育ママ』『チャイルドマインダー』について解説します。