パパ・ママが共働きの家庭で、ある朝子どもが突然発熱した。
保育園は一般に、無認可保育園はもとより認可保育園においても、病気の子どもに対応できる人材・設備を有していません。
薬についても、医師の処方薬ならば柔軟に対応してくれる保育園が最近では増えてきているとはいえ、いまだに薬をいっさい預からない保育園もまだまだ多くあります。
このような背景から、子どもが病気のときは、保育園からは通常、お休みさせてくださいと言われるはずです。
こうなると、二人のどちらが勤めを休んで子どもの看病をしなければなりませんね。
特に、子どもがはじめて集団生活を経験する保育園への入園は、子ども自身も大きな環境変化に直面することで、どうしても体調を崩したり病気になったりしがちなものです。
しかし共働きの家庭においては、子どもが病気になるたびに会社を休んでいては、有給休暇や看護休暇などをすぐに使い果たしてしまうことでしょう。
おじいちゃんやおばあちゃんなどが近くに住んでいてバックアップをお願いできる環境にある場合などはまだよいですが、そのような身内や近隣の助力が期待できない場合には、「ベビーシッター」や「病児保育・病後児保育」対応施設の利用も考えていくことが、必要になってきます。
ちなみに「病児保育」とは、子どもが病気になってまだ回復していないときの保育、また「病後児保育」とは、病気がほぼ回復したにもかかわらず保育園への登園許可が下りないときの保育、をそれぞれ指すとされますが、厳密な用語の区別までは無いようです。
「病児保育」「病後児保育」に対応する施設について、概略を説明します。
・乳幼児健康支援一時預かり事業
「乳幼児健康支援一時預かり事業」は、厚生労働省が補助金をつけて行っている制度です。
病気の回復期にある児童を一時預かることによる保護者の子育てと就労の両立を支援することを目的として、子どもが病気のときに働く保護者に代わって子どもを預かる施設の全国的育成を、補助金をつけて後押しするものです。
「医療機関併設型」「保育園併設型」「単独型」の3種類が定められており、開設数は全国で約600カ所となっていますが、施設数は全国的に非常に不足しているのが現状です。
このうちもっとも多いのは、小児科の病院などに併設されている「医療機関併設型」の施設で、病児保育は通常、この「医療機関併設型」の施設において看護師や保育士が行うことになっています。
また、保育園がこの「乳幼児健康支援一時預かり事業」にもとづいて「病児保育」「病後児保育」を行う場合には、自園の園児以外に地域の他の保育園の子どもも受け入れることになっています。
ただし外見からはわかりにくいのですが、厚生労働省のこの「乳幼児健康支援一時預かり事業」の補助金制度を利用せず、市町村からの補助を受けたり、あるいは補助金を利用せず独自に実施している保育園もあります。
これらの場合は、その園の方針にもとづいて外部の子どもの受け入れが個別に判断されることになりますので、「病児保育」「病後児保育」にかかわる施設や保育園の利用については、いざという時に備える意味でも、あらかじめ地域の実情を調べておくことをおすすめします。
なお利用料は、補助金がついていることもあり比較的低廉で、1日あたり2,000~3,000円前後(飲食費は実費徴収が多い)の水準です。
生活保護世帯においては、料金の減免がつく場合があります。
原則、7日間まで連続で預かってもらうことができますが、医師の判断や保護者の状況によって必要と認められる場合は、7日間を超えて行われる場合もあります。
ちなみに、毎日新聞の調査によると、専業主婦率が高い全国の11都道府県の市区町における乳幼児一時預かり事業の実施率は、わずか21%にすぎないとのことです(毎日新聞 2008年8月2日付朝刊記事)。
現状の同事業における補助金の金額が充分とはいえないこと、また病後児保育に関わる人員を安定的に確保するのが難しいこと、といった理由から、積極的な取り組み姿勢をみせる自治体・施設の数が限られているためと推測されます。
最後に全国の「病児保育」「病後児保育」対応施設について、ご参考まで以下サイトを掲載しておきます。
「全国病児保育協議会加盟施設一覧表」 (全国病児保育協議会)
「病児・病後児保育実施施設」 (i-子育てネット)