「乳幼児健診」は、生後1ヶ月から6歳頃までの間に、健診費用が国や自治体負担となるため、無料で受診できます。
乳幼児健診の目的は「乳幼児の病気の予防と早期発見、および健康の保持・健康の増進」にあります。
「母子保健法」という法律にもとづいて昭和40年から乳幼児健診がなされており、現在の日本の乳幼児死亡率は、世界でもっとも低いものとなっています。
乳幼児健診の回数と受診時期ですが、まず「1歳まで(乳児期)に2回以上」、そして「1歳6ヶ月健診」と「3歳児健診」を実施することとなっています。
(ただしこれは法的規制ではなく、厚生労働省の通達によるものですので、ごく一部の市町村などでは個別健診が1回だけだったり、あるいは無実施のところもあるようです。)
乳幼児健診の内容としては、「母子健康手帳」や、あらかじめ自宅で記入しておいた「問診票」を持参した上で、所定の保健所や医療機関で受診するかたちになります。
乳幼児健診の実施方法は、「集団健診」と「個別健診」があります。
「集団健診」は、保健所・保健センター・健康福祉センターなどで、同月年齢の乳幼児を集め、集団で健診を行うものです。市町村から、決められた日時が通知されます。
集団健診は、医師だけでなく保健婦・栄養士・臨床心理士・歯科医師などが一緒に行うため、健診が総合的に行えるというメリットがあります。
一方「個別健診」は各人で市町村が健診を委託した医療機関に受診日時を予約したうえで受診する方法です。
ただし大抵の場合、自分の好きな日にいつでもOK...というわけではなく、設定された候補日時のなかから、自分に適した日時を選択するやり方になります。
健診日が平日に設定されている市町村も多いため、その場合は会社を休む必要もでてきそうです。仕事のスケジュールなどを、あらかじめよく調整しておく必要がありそうです。
「個別健診」のメリットは、日頃からその子どもを診察していてある程度経過をよく知っている、いわゆる「かかりつけ医」のいる小児科などで受けることができる点にあります。
その点で、集団検診ではカバーが難しい、一人一人の子どもの状態に応じた相談や助言を受けやすくなっています(ただし最近では子育て支援策強化の流れを受け、集団健診でもある程度は、個々の家庭や子どもに応じた相談・アドバイスをしてくれるようになってきています)。
なお、市町村によっては個別健診を定められた回数以上、たとえば6~7ヶ月や1歳のタイミングで実施しているところもあります。この場合は自己負担となりますが、希望に応じて、追加または代替的に受診することができます。
ちなみに、自己負担で乳幼児健診を受けるタイミングとしては、1ヶ月・6~7ヶ月・9~10ヶ月・12ヶ月、2歳、2歳半、4歳、5歳、6歳が適当な時期とされています。
ただし、乳幼児健診の実施方法や実施回数自体は、市町村によって違いがあります。乳幼児がどの年齢(月齢)にあるかよっても、健診の方法が異なってきます。お住まいの市町村のホームページなどで確かめてみてください。
上記の市町村が行う健診以外にも、子どもの通う保育園においては、園医さんによる身体測定や内科・歯科検診などが、一定の間隔で行われています。
集団健診では子どもの機嫌が悪く、泣いて騒ぐために健診がちゃんと受けられなかった、あるいは待ち時間だけが長く診察時間が少ないために、十分に医師への相談ができなかった...といったケースもあるようです。
そのような場合にも対応できるよう、個別健診やこれらの保育園における検診、そして会社を休むためのスケジュール管理を上手に組み合わせた、子どもの健康を定期的にチェックしていくための「我が家なりの健診システム」を、家族のルールとしてつくっておくことをおすすめします。