平成24年8月に成立した「子ども・子育て関連三法」に基づく「子ども・子育て支援新制度」が、平成27年4月から全国で本格的にスタートしています。
【PDF】子育て支援なるほどBOOK(平成26年9月改訂版)
子ども・子育て支援新制度とは(内閣府)
子ども・子育て支援新制度 よくあるご質問(内閣府)
保育の利用者にとって重要なポイントを、以下で解説します。
●「認定こども園の普及」と、「地域型保育」の新設
認定こども園(および「1~3号認定」)については認定こども園~利用のメリットと問題点 をご参照下さい。
保育施設の足りない都市部や子どもの減少している地域で、通常の施設よりも少ない定員で子ども(0~2歳)を預かる「地域型保育」が新設されました。
地域型保育では、原則として「3号認定」の子どもを対象に、「小規模保育」「家庭的保育」「居宅訪問型保育」「事業所内保育」の4つを設け、利用者が選べる仕組みにしています。
小規模保育:少人数(定員6~9人)を対象とした、家庭的保育に近い保育
家庭的保育(保育ママ):定員5人以下の家庭的雰囲気の保育
居宅訪問型保育:個別ケアが必要な場合に保護者の自宅で行なう、1対1の保育
事業所内保育:会社の事業所の保育施設などで行なう保育
地域型保育は、市町村の認可事業となります。とりわけ都市部で深刻な「待機児童(保育所への入所待ち児童)問題」を緩和し、地域の状況にあわせた保育の受け皿を確保する狙いがあります。
●保育の必要量となる「保育標準時間(最長11時間/日)」「保育短時間(最長8時間/日)」が新たに設けられ、保護者の就労状況等をもとに、一日の保育時間の上限が市町村に認定されることとなりました。
これまで一時預かりが主であったパート勤務等の場合でも、2号認定/3号認定および「保育短時間」の認定を受けたなら、保育園や認定こども園で保育ができるようになりました。
延長保育料を払えば、一定時間までの延長保育も可能です(延長保育を実施していない園もあります)。
●新制度における保育料は市町村が定めますが、上限額はおおむね、現行の私立幼稚園・保育所の実質的な利用者負担の水準と同程度になります。
また「子どもの多い世帯」については保育料の軽減措置があり、「最年長の子どもから順に2人目は半額、3人目以降が無料」になります。
●放課後児童クラブの(職員・開所日数/時間等の)質の向上をはかり、利用対象を広げます(従来の小3→小6まで拡大)。
●「子ども・子育て支援事業計画」のもと、利用者支援専門職員(仮称)に気軽に子育て相談ができる「地域子育て支援拠点」の設置や、「一時預かり」の利便性を高める施策などを、市町村が主体となって進めます。