子どもの発熱や病気・ケガなどの緊急事態に備えて、万一のときにすばやく行動できるよう、できればいくつかの「かかりつけ医」をもっておくのが安心です。
かかりつけ医を選ぶときは、以下の点をチェックしておきましょう。
1) 「自宅」と「保育園・幼稚園」からのアクセス。
子どもはいつどこで具合が悪くなるかわかりません。
どちらか片方だけでなく、それぞれの場所から行きやすい病院を、最低二つくらいずつ、リストアップしておきたいものです。
会社にお勤めの方の場合、病院からいったん家や保育園・実家に戻って、会社に再び向かう場合を想定して、どう行くのが最短距離でおさまるか...など、ちゃんと細かい点もシミュレーションしておくようにしましょう。
緊急時ですので、タクシーの場合に料金は往復でどれくらいかかりそうか...など、細かな点までの目配りを忘れずに。
2) 「診療時間」と「休診日」のチェック。
早朝や夜間の病気などにどこまで対応してくれるかも、あわせて確認しておきます。
医師や病院の対応についての印象など、かたちに表しにくい部分については、評価を★★★(対応がよい)・★★(普通)・★(対応が悪い)などの3~5段階のマークで統一しておくと、あとですばやくチェックできるでしょう。
3) 「お医者さんの質」はどうか。
仕事のある父母が子どもの看病をすることのさまざまな制約も理解したうえで説明してくれるか、あるいは相談にのってくれるか、などを自分なりに評価します。
また、子どもへの接し方が雑だったり、あるいは親の説明をほとんど聞いてくれないような医師をかかりつけ医として選ぶことは、長い目でみると問題があります。
子どもの成長を長期にわたって観察するお医者さんと子どもとの相性がどうかは、たとえめったにいかない病院であっても大事なことです。
この点のチェックは、多少時間がかかってしまうのはやむを得ません。
他の親御さんの口コミ、近隣の評判、保育園・幼稚園の紹介、また場合によっては関連本やインターネットなども活用しながら、地道に情報を集めて、判断していくしかありません。
あまり早い段階でひとつのお医者さんに絞り込んでしまわず、決めるまでにある程度いくつか比べてみる目を持つことは大切です。
休診日などにタイミング悪く子どもが発病した時に、代わりの選択肢がまったく無いというのは困ります。
メインのかかりつけ医と、それ以外のオプションの病院候補が決まったら、子どもの急な病気・ケガ(1)~救急車の呼び方と相談窓口 でご紹介した「救急車関連の情報と一緒に、上記1)~3)で述べたことを、一枚のシートにまとめておく」とよいでしょう。
それをコンビニで何枚かコピーしておき、「パパとママの持ち歩き用」と、「仕事場保管用」をつくります。
もちろん自宅でも、電話のそばの見やすいところに一枚貼っておくとよいでしょう。実家にピンチヒッターを頼むことが多いなら、実家にも一枚置いておくとよいですね。いざというときに、父や母に電話でサッと指示を出すこともできますから。
ついでに、病院の診察券もお手もとに何枚かあるはずですので、同じようにコンビニで一枚の紙に並べてコピーして、いっしょに保管しておくとよいでしょう。
診察券をうっかり自宅に忘れてきた!という場合も、診察券の番号さえわかっていれば落ち着いた対応ができます。
いざというときのための情報を家族で共有することは、最初は手間がかかりますが、長い目でみると大切なことです。
ママは病院までタクシーを使ったときの最短距離や最安料金を知っていたとしても、パパや実家のおじいちゃん・おばあちゃんがそれを知らなかったためにずいぶんタクシー代がかかってしまった...となっては、家計にも響いてきますからね。