2009年4月から、「改正国民健康保険法」が施行されました。
これは、国民健康保険の保険料を親が滞納していたため「無保険」となり、保険証の交付を受けられない家庭において、(病院の窓口で一時的に医療費が10割負担となることから)事実上病院の診療を受けられなかった「中学生以下の子供」に対して、市区町村が「有効期間6ヶ月の短期保険証」を交付するものです。
保険料を滞納している世帯であっても、これらの子どもへの「短期保険証」は、一律無条件で交付されることになります。
ただし有効期間は6ヶ月で、更新制となります。
目的はもちろん、子どもが病院で適切な治療を受けるための道を開くものです。
厚生労働省の実態調査によると、無保険の子どもの数は全国で約33,000人に達するそうです。
以前には「小学校の保健室に手当を求め駆け込んでくる子供の数が、全国で無視できない数に達している」との報道がありました。
学校の保健室で医療行為はできないのですが、病院に連れていく費用のない親が、保健室での子どもの手当を強く頼ったり、あるいは病院につれていった後の医療費をやむなく学校側で立て替えるなどの事態が、深く静かに拡がっているとのことです。
このような実態もあり、法律としては2009年4月からの施行ですが、全国の自治体のなかにはそれ以前から、子育て支援の観点で無保険状態の家庭の子供たちに独自の保険証を交付して対応している市町村もありました。
今回の国民健康保険法の改正によって、子どもの医療への法的な保護が全国一律で手厚くなったという点は、ひとまず一歩前進と言えそうです。
ただし、まだ問題点は残っています。
まず対象となる子どもが、「義務教育(中学生)以下の年齢」であること。
つまり中学卒業後・高校生以降の子どもであれば、自治体が独自に子育て支援・救済策を行っていない限りは対象外のままということになります。
毎日新聞の全国調査によると、これらの対象外とされる子どもの数は、全国で4,000人強に達するそうです。
さらに、雇用情勢・経済情勢が急速に悪化するなかで、自己負担となる医療費の3割負担(義務教育就学前は2割負担)の支払いですら苦しい家庭も、いまや相当数に達するとささやかれている状況です。
子どもの健全な発育と成長のためにも、医療が必要なときに子どもがすぐに治療を受けられる体制の確立は、国家的視点からも不可欠なはずです。
しかし現在は国保の財政運営もきわめて厳しい状況下に置かれていることから、当面は自治体の子育て支援策の強化を住民として促すよう行動するほうが(自治体が独自に工夫する「子育て支援策」を、活用したい ご参照)、解決策としてはまだ現実的かもしれませんね。
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無保険の子どもに「短期保健証」を交付~子育て支援策の観点から
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